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体験に基づいたSM(ソフト)の官能小説と雑記
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可奈は口ごもり、うつむいて体をこわばらせて黙り込んでしまった。だがしばらくすると、恥ずかしがりながらも、ぽつりぽつりと言葉を選びながら自分の感情を吐露していった。

最初は、職場のわずらわしい人間関係がよぎり、可奈の誘いを警戒していたところもあったが、自分の気持ちに正直にあろうとする可奈の態度を見るうち、私は彼女の居場所を作ってやろうという気になりはじめていた。

居酒屋で可奈と飲み始めてから数時間後、店を出た私たちはラブホテルにいた。

可奈は、ごまかすことはしなかったが、確信めいた言葉も口にしなかった。しかし、彼女の表情から何を言おうとしているかは理解していたので、行く先を告げることもなくホテルに連れてきたのである。

可奈は部屋に入るまでは、素直に私についてきたが、扉を閉め、靴を脱いだ途端、少し迷った様子を見せて立ち止まり、先に椅子に腰掛けた私をじっと見た。

私は部屋の奥から可奈を待っていた。微かに芽生え始めた愛情にも似たある種の情をもって彼女を見つめていた。

可奈もまた、部屋に入ってきた。何も言わず肩にかけていたバッグの紐を片手で握り締めながら、ゆっくりと部屋に入り、私から少し離れた所で立ち止まった。

私たちは互いに何も言わず、見つめあっていた。可奈の瞳は潤み、酒によるものとは明らかに異なる頬の紅潮と相まって、職場では見せることのないギャップからくる魅力を見せた。

しばらく、そのまま見つめあっていると、可奈の視線が戸惑ったように動き始めた。こちらの言葉を待っているようだった。

「おいで」

私は手を軽く振って彼女を招く。

「ここに来て、バッグをそこに置いて」

可奈は私から視線をそらさず、軽くかがんで言われるままにバッグを置いた。そしてすっと立ち、私を見る。

椅子に掛けていると、彼女の背が意外と高いことに気がついた。

再び沈黙が訪れた。先ほどまでとは違い、可奈の表情から私に対する信頼が見て取れた。

確実に次の言葉が投げかけられるのだという確信のようだった。

可奈の微かに開いた唇と、潤んだ瞳の奥にある光が、私に何を求めるのかを強く伝えていた。

「…服を脱いで」

可奈は少しうつむき、上着のボタンに手をかけた。

「俺から目をそらさずに…ゆっくり…一枚ずつ…」

可奈は頷き、熱っぽい視線で私を見つめながら、一つずつボタンを外していった。

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都内在住。体験に基づいたSM小説と雑記のブログ。


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